お味噌の魅力を伝えるにはどうすれば一番効果的か？
カテゴリ：海外ビジネスのヒント
みなさんは海外において、日本の製品やサービスがどのように
評価されているのか聞いたことがありますか。
よく知られていますとおり、
自動車や家電に代表される日本の工業製品は
世界中で高い評価をうけています。
（最近は家電はちょっと元気がなく残念ですが）
サービスに関しても「おもてなし」精神とマスコミが自画自賛するとおり、
ホテル、旅館などのサービスは世界でも一流のレベルです。
それは世界中のホテルに滞在してきた私の感想とも一致します。
海外において日本の食文化、サブカルチャー文化、
伝統産品などを紹介するイベントも各地で開催されていて、
有名なものではジャパンエクスポというフランス・パリで
毎年開催されている見本市があります。
ジャパンエキスポは、日本の食、文化、製品を紹介する見本市で
２０００年から毎年開催されており
昨年は１６回目を迎えました。
昨年はスペシャルゲストとして、スーパーマリオの生みの親
任天堂の世界的に著名なクリエーターである宮本氏が登場しました。
このジャパンエクスポは、すでにベルギー、スペイン、アメリカでも
展開されています。
フランスでの第一回の開催時は、
入場者はわずか２千名程度だったようですが
１６回目の昨年は、
なんと２４万人の入場者数を記録しました。
２００８年の入場者数を比較すると、
２０１５年の入場者数は約２倍です。
入場料が２千円から３千円の有料イベントですから、
その人気のほどもわかると思います。
イギリスロンドンでもHYPER JAPANという
似たようなイベントが年に２回開催されております。
こちらは食文化、アニメ文化の紹介がメインです。
先日このHYPER JAPANを主催する会社の社長である
丸茂さんの講演を聴く機会がありました。
丸茂さんはもちろん日本人です。
英国在住歴が３０年以上とのことで、
日本文化と英国文化を知り尽くしている
といってもよいような方です。
丸茂さんのお話で印象に残ったのは、
日本はまだまだ自国の魅力を海外に上手に伝え切れていない、ということです。
英国と日本を頻繁に往来している丸茂さんは、
日本の良い点がよく見えるが
日本のサービスの質は全般に英国のそれと比較しても
圧倒的に高いとのことでした。
そして特になるほどなと思ったのは、
例えば日本のお味噌メーカーが
お味噌を英国人やインド人に
（英国にはインド系英国人が多く暮らしています）
見本市で紹介する際にやりがちな間違いとして、
お味噌の歴史、生産地、水、材料といったスペックの説明を
してしまうことと指摘していたことです。
そもそも味噌をほとんど食したことがない相手に対し、
上記のようなスペックをいくら説明しても
相手は全く理解できないわけです。
ではどうですればよいでしょうか？
それは味噌汁を実際に飲んでもらい、
その上で味の説明、材料の説明、健康への貢献などの
話をすれば、理解度が遙かに深まるはずと
丸茂さんは述べていました。
「ステーキを売るなシズル感（ジュージューという音）を売れ」との
マーケティングでは有名な言葉にも通じますね。
お客様の立ち場になり、
お客様のベネフィット（おいしい味噌スープ）を
提供するということが一番大切であることがよくわかります。
そして日本の製品、サービスの評価を知るには、
実際に外国人に直接触れることができる見本市が
最も有効であると言えると思います。
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